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#コミティア124感想 「春待ち」季節外れ

180505にビッグサイトで開催された創作同人誌即売会コミティア124で読んだ同人誌の感想を書いていきます。
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「春待ち」季節外れ
(画像なし)

 密かに小説を書いているがノート一冊分溜まると捨ててしまう姉。妹はそのノートを捨てられる前に盗んで読んでいた……

 その姉が夏の終わりの頃からあまり小説を書かなくなった。母と姉の不仲、受験の年であること、彼氏ができたことなど原因は散りばめられている。

 ある夜、池に創作に用いる万年筆?を投げ入れた姉は、妹に対しあんたのために書いていたのではないと嘯くが、掻き消された吹き出しが語るように、彼女は書いた小説を賞に応募していたのだ。誰にも見てもらいたくないのならなぜ文章を書き残し、賞に応募したり、ノートを妹が盗み出せる余地のあるように捨てたのだろう。

 春が訪れ、姉のいなくなった家。姉は大学?に受かって家を出たのか、あるいは……究極の創作物である新しい生命を自らの肉体から生み出すことが怖くて……という結末も考えられなくはない。読者の想像に委ねる余白がいい。

 ほとんど絵はなく文章がメインで語られるまんがである。創作物を生み出しておきながら誰にも見られたくない、過去の作品は全て捨ててしまいたい、という心理は、コミティアにサークル参加されている人なら広く理解され得るものではないだろうか。作品中何回か、黒い線で掻き消された吹き出しが現れる。だが完全に塗りつぶされているわけではないので、欠けた文字を補完してなんとか読むことはできなくはない。一度言ったことを消してしまいたい、だが完全に見られなくしてしまうわけではないという、作品全体に匂い立つアンビバレントな感情をこの手法が象徴している。

 文章がとても詩的で美しい。密度の少ない白い画面から一転して黒い画面の夜のシーン、闇夜の中の池に姉が万年筆を捨てるシーンは美しい。退廃の美を感じる。作者さま独自の切り口で季節の移り変わりが文章によって美しく表現されている。技術の許す限りでいいので、作者さまの思う季節感のある画面が欲しかった。

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 180505、コミティア124当日、ビッグサイトを目指していつものとおりに家を出て20kg級中量級装備のカートを曳いて西船橋駅で降りた所、ペキンという音とともにカートのタイヤが破損する。数年前に手に入れたこのカートはアルミ合金製で耐荷重の割りに軽くて強いのが特徴なのだが、欠点がやっとわかった。フレームはアルミ合金で強いのだが、タイヤを支えるパーツはアルミ合金ではなくプラスチックなのである。おいそこが全ての重量を支える最重要パーツなのにそこをアルミ合金にしないでどうするんだよ。まるで宇宙戦艦100隻無敵艦隊ただし提督はゴリラ、みたいな。というわけで、車両からプラットホームに飛び乗ったときの衝撃で、タイヤを支えるプラスチックの車輪受けが無残に破損してしまったのである。

 曳いててなんかフラフラするからおかしいなと思ってタイヤをよく見ると、右車輪の車輪受けの片側だけがスッパリと断絶している。しかしもう片側は無事で、なんとか車輪はもげずにくっついている状態だ。もし荷物が10kg級軽装備であったなら、車輪受けが片側しか無くともなんとか重量を支えて車輪を転がすことはできたかもしれないが、あいにく昨日必死こいて100頁のコピー誌を量産してダンボールがパンクするまで詰め込んでしまったので、重量に耐えきれず車輪がフラフラしてしまう。それでも国際展示場駅まではなんとかヨタヨタ進むことができたのだが、国際展示場駅をでたところで片側しかない車輪受けは完全にグロッキーとなり、車輪が進行方向に対して45度の状態で固定されてしまう。これではカートを前に曳いても、45度に傾いた車輪の方はもはやブレーキでしかない。人類最強の発明それは車輪なのだが車輪は角度や回転面がちょっとばかし狂っただけで用をなさなくなるメンテ欲しがりやさんでもあるのだ。車輪じゃなくて超テフロンみたいな摩擦係数が極端に低い物質を底に使ったソリみたいなもののほうが将来的にはメンテも注油も必要なくて有利なんじゃないかなと思うがそんな未来だったらテレポートとか物質転送とかあるだろ多分。

 で、改造を重ね肩掛けベルトがチェーンで接続されたわがカートを、肩掛けベルトを使って全身のバネで強引に前に進める。筋肉痛になる! しかし以前後輪がブレーキのかかった状態で固定されてしまった60kgのバイクを押して2km歩いたことがあったのであれよりは遥かにマシである。とはいえ、ブレーキのないスムースに回る車輪と比べれば苦行でしかない。速度は半分以下に落ちる。暑い。脱ぐ。それでもどうにかこうにか引きずってビッグサイトの中を東館の我が席までたどり着いた時、傾いたタイヤのエッジは、まるで鼻水は鼻紙にかむものということを理解できもしない小学生男児が消しカスを集めて練り消しを作るためだけに無駄に削りまくった哀れな消しゴムのようにみすぼらしくすり減っていたのであった……


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