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#コミティア124感想 「「早春賦」「KURAGECLIP9」「灯影の冒険者」

「早春賦」スタジオおまーじゅ
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 今回の見本誌読書会で一番気になった作品。山奥にある、全寮制の天狗の学校に留学した人間?の女子の話である。

 雪国の冬、子供たちは毎日寮から学校まで、東北の山奥を思わせる急な山道を歩いて登下校する。学校の寒い教室の座学で冷え切った身体を、帰り道に友人と湯屋に行って温めるとか、うどんを買い食いするとか、学生の日々の豊かな時間がそこにはある。寮の軒には雪国らしくつららがつくのだが、毎朝つららを棒で落として掃除する役割の人がいるとか、北国の冬の日常が生活感を伴い豊かに描写されている。彼らは天狗ということなのだが超能力などは描かれず、また、現代日本のコンピュータなどのテクノロジーも見られることはない。天狗の国には子供もいれば老人もいて、天狗の教師が子供たちに授業をし、主人公が昼休みに口にする弁当は誰かの手によって作られている。異世界の社会が人(天狗)の手によって動かされているということが、異邦人たる主人公の目を通して温かく描かれていく。
 
 作中は現代であるようだが、天狗の国は人間の世界とは少し生活様式が異なるようで、畳の敷いてある教室であるとか、和洋折衷の湯屋の建築様式であるとか、明治時代を思わせるようなレトロモダンな世界観に魅力がある。

 「冷えた身体を湯にあけわたす時確実に私の数%は溶けだしている」というモノローグに代表されるように、文章が詩的で美しい。

 もしかしたらこの前の巻があるのかもしれないが、本作を読んだだけでは主人公の目的がわからない。なぜ主人公は人間と思われるのに天狗の国に来ているのか、外の人間から天狗はどのように思われているのか、そこが欲しかった。絵が魅力的なのでできれば表紙も緑一色でなく絵が欲しかった。



「KURAGECLIP9 PENTO NOTE TO TABLET TO WATASHI」KURAGESWITCH
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手書きの文章とイラストで文房具について綴った本。文字がていねいできれい。色んな文房具の絵が並べられているとわくわくする。



「灯影の冒険者」希望風
リンク見つからず
ヨーロッパの騎士が盾に描いていたりする紋章の成り立ちと仕組みをまんがで解説する。紋章は、顔が見えない鎧を着た騎士たちの個人を識別するために発達したものだという。好きに描いていいものではなく、複雑な作法があるということがわかった。実在の紋章の実例が欲しかった。
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