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【no.1106】 みんかの #創作同人電子書籍 レビュー:クリストフ・クリタ「ゴルゴラ 2巻」#妖界 #歴史 #異文化【no.1107】

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フランスの妖怪が暴く、人間の心の闇。時代によって移り変わるフランスの風景が見事なデフォルメで描かれます。









 フランスの妖怪をテーマにした妖怪まんが。一話完結型の話が多数収録されている短編連作形式の、第二巻となります。

「人面獣」
 かつて貴族が自前の森で狩りをしていた時代、人面の獣が出るという噂があった……
 領主が恒例の行事で狩りをすることになり、犬の世話係の少年が獲物を森の奥に追い詰めます。
 その獣は人面獣だった……

 人面獣は少年の顔になって人の言葉を話します。
 人面獣は、少年は実は領主とメイドの間に生まれた私生子であり、だから領主の態度が冷たいのだと言います。
 少年は獣に短剣を投げ刺すんですが、刺した相手は獣じゃなくて領主だった……

 はたして少年はほんとうに領主の子供だったのか……?



 なかがきの解説によるとヨーロッパには人面の獣のような妖怪の存在が古くから伝えられているそうで、それをモチーフにした作品と思われます。

 この人面獣は、森の奥に住んでいて、出逢った人間の顔になって人の言葉を話し人間を惑わします。
 それは獣が人間に殺されないで生き残るための知恵なのか……
 創作において深い森は人間の深層心理を表します。少年は人面獣に教えられる前から、領主から冷たい態度であしらわれる自分は、じつは領主の息子なんじゃないかと考えていたのかもしれません。人面獣は少年の心の中の不安につけこんだだけで、その不安は少年の心のなかに最初からあったもの……
 そして領主に対する憎しみが、短剣を獣ではなく領主に向けさせる……
 
 と、ヨーロッパに伝わる伝承から、人間の心理を抉る妖怪譚が描かれる、一話完結型の話が多数収録されています。



CGみてみて また、絵がすごい! フランスにもベーデーという、まんがというよりはアート作品のような形態のコミックがあるわけですけども、本作は伸びのあるペンで描かれたようなデフォルメされたキャラやフランスの風景の絵がとても魅力的です。



 また、現代に近い時代からおとぎ話の時代まで、さまざまな時代が描かれるわけですけども、
 1950年ごろのアルプスのトンネル工事を描いた「つらら婆」では、トンネルを掘るショベルカーなどの重機が描かれているんですが、これが油圧でショベルを動かすシリンダーのようなものが描いてなくて、代わりにワイヤーでかごを引っ張って持ち上げるみたいな方式のショベルカーが描かれているんですね。
 たぶんこのころにはまだ油圧シリンダー式のショベルがなかったのかな……? 機械の歴史に詳しくはないのでわかりませんが、でも明らかに現代の方式とは違っていて、それでいて絵のとおりに造ったら動きそうな感じで、古いタイプのショベルカーが構造まで理解して描かれているんですね。

 他にもフランスの古い家とか、その古い家の立ち並ぶ村が、トンネルができたことによって新しい建物に建て替えられていく、みたいなことまで絵で見ただけでわかるように描かれているんですよ。フランスに行ったことないですけど、時代が数十年進んだな、ってことが絵だけでわかる、これはすごいと思います。



 話の合間にはヨーロッパの歴史が写真と文章で語られるコラムがあったりして、楽しめるものとなっています。
 フランスの妖怪を描くことによって、人間の心の闇みたいなものが見えてくる……そして移り変わっていくヨーロッパの歴史、時代流れが感じられる、極上の妖怪まんがです。




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