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181125コミティア126で読んだ本1

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「陰葉沼(いんばぬま)高校七不思議」スタッフWHY

高校に入学してまんが部に入ろうとする一年生女子ルノ。だがまんが部こと第三文芸部は部員がおらず、ルノが部長にされてしまう。ルノは同じく一年の観音掌節とともに文芸部の合同誌のネタのためにこの高校の七不思議を調査していく。

 廃部寸前の部活で一年生が部長になり学校の不思議を調査するという、ジュブナイルの王道ストーリーである。学校の七不思議は結局どれも合理的に説明のつくささいな見間違えだったりするのだが、なかにはカラスがしゃべることになんの説明もなかったり、見間違えにしては妙におどろおどろしいダッチワイフの描写であるとか、非合理的な本当の不思議が混ざっているところに魅力がある。また、本物の不思議がいちばん身近なところに潜んでいたということを示唆して終わる落ちはとても面白い。

 本作にはスタッフWHY作品前作に登場したキャラが登場する。前作が戦時中で本作が七〇年後ということなので、作中の時代は大体2018年頃なのだろう。「私が小さい頃ラムちゃんとかのコスプレしてて気味悪かったです」というのは現代の女子高生の言にしては年代が古すぎて不自然だが(「うる星やつら」は1978年連載開始)後の展開への布石である。

 フリーハンドの震える線で描かれる背景は、透視図法に囚われない、人間の眼で見た自然な歪みがあり、あたかもこの学校が実在していて、その中をキャラと一緒に歩いているかのような存在感がある。キャラクターがかわいい。表情も豊富で生き生きとしている。ただ、ページ数が足りなかったのかも知れないが、ややキャラの登場が唐突で、観音掌節と第二部長など黒髪で同じ制服なので外見が被っていて見分けづらいところはある。

 学校の雰囲気に魅力があるとてもさわやかなジュブナイルSF(すこしふしぎ)まんがである。
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