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#コミティア126感想 「白内障の手術をしました!」「ごじゅう!」

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「白内障の手術をしました!」 セツコ山田

 作者さまが白内障の手術をした体験を描いたエッセイまんが。遠くが霞んで見えたり、白いはずのまんが原稿用紙が黄ばんでみえたりと、白内障の症状がリアルに描かれている。しかし現在は白内障は適切な治療をすれば治るのだという。本作には実際に手術を受けるシーンが描かれている。目が開いて意識があるまま手術台に登り、手術機械が目を切り裂いていくのを強制的に見させられるというのはどれくらいの恐怖を伴うものなのかと思ったが、発達した医療の下ではそれらは意外とスムーズに進行して、つつがなく終わるものらしい。

 白内障が完治した後、視界がクリアーになったときの感動も描かれている。白内障は徐々に進行していくため視界が濁っていることに慣れてしまい気づかないのだという。自分もまんがを描いている以上、いつか目が傷ついたらまんがが描けなくなるという漠然とした恐ろしさを抱いていたのだということがこのまんがを読む内にわかってきた。しかし同時に、治すこともできるということがわかり、安心したところもある。

 経験したことのない他人の人生を垣間見ることが出来るというのはまんがの醍醐味だ。絵がシンプルで主人公が置かれている状況がよくわかり、齣割りはすっきりしていてとても見やすい。作者さまの確かなまんが技量が覗える。このようなまんががもっと世に広まるべきと思う。



「ごじゅう!マンガ家生活50周年記念本デビュー作は猫マンガだった!!」 セツコ山田

 まんが家として50年のキャリアを持つ作者さまのデビュー作と、当時の思い出。デビュー作は少女まんがだが、当時は少女まんがは男性作者が描くものだったという。松本零士先生や赤塚不二夫先生も少女まんがを描いていた。しかしこのころから、少女まんがを読んで育った世代がまんがを描く側の年齢になり始め、作者さまは少女まんがの女性作者の嚆矢となった最初の世代ということだ。

 デビュー作は猫まんがであり当時のファッションや住宅の建築様式が描かれていて興味深い。当時の思い出のパートも、貸本まんが出版の原稿料が1頁100円(物価から考えても安すぎる)だったなど、かつてのまんが事情が垣間見える。
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