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#コミティア126感想 見本誌読書会で読んだ本3




「自我と都市」 バターン半島

 架空の戦争中の未来世界、子を宿した生体兵器がアンチ生体兵器に殺される。アンチ生体兵器は自分が殺した生体兵器の子を育てる。そしてアンチ生体兵器は自分の育てた子に殺される……

 オイディプスの神話のような冒頭から、物語は生体兵器の子が滅亡した後の世界を旅する第二部に移る。生体兵器の子は、滅亡したあとも文明を残している、英雄王という王が治める都市にたどり着く。人々に神のごとく崇められる英雄王に主人公が面会しに行くと、彼は実は旧世界の文明が遺したAIであった……

 ふくしま政美先生の「聖マッスル」を思わせる、神話と哲学の雰囲気の漂うまんがである。人間とは何なのかを問う物語は骨太で楽しめる。荒廃した世界の絵がもう少し欲しい。哲学的な科白は雰囲気にあっているがもう少し量を抑えると読みやすいかもしれない。



(リンク先なし)

「光の方舟」空蝉

 手に黒い模様が出るという奇病に冒された周囲の好機の目に曝され引きこもりになった少年のもとに、奇病の原因となった有毒植物を調査しているという生物学者が訪れ、奇病を治すため二人で植物の調査をする……

 舞台は産業革命期イギリスのような架空のスチームパンク世界である。空飛ぶバイクなどのガジェットや、シャボン玉を出す木、ガラスの果物、クッションのような草など架空の生物が多数登場して面白い。終盤で明らかになる、生物学者が少年の奇病を調査する動機もよい。絵も美しい。






「sentimental zoukei punk」 おはま亭AIR

 架空のバイオスチームパンク世界のメカを、自作の立体造形物の写真を用いあたかも実在する態で紹介する読み物。造形物は百均の素材で作られているらしいが安っぽさを感じさせない。生物とメカが融合した有機的で不気味なフォルムが独自の世界観を創り出している。






「脳姉妹」 PELL

 頭の悪い姉を持つ妹が、姉の頭を良くするために姉の頭を切開して脳を取り出しはんだごてで脳の皺を増やすという展開がずば抜けているギャグまんがである。その後脳を取り出していたのでは間に合わないということで妹が姉の頭蓋の中に入って直接皺を増やすという展開もすごい。別に身体を縮小して頭蓋の中に入ったとかそういう説明はなく妹が姉の頭蓋の中にいるという絵が出てくるのがあまりに常軌を逸していて面白い。オチもほのぼのした感じで終わるのだが、直接手を下していないにしても人が一人死んでるんだけど……



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