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#創作同人電子書籍 紹介 {2^999}[八木ナガハル]

{2^999}[八木ナガハル]



121頁まんが作品。

 じゃんけんでトーナメントをするとする。同じ人が二回以上参加することはないとして、二連勝するには四人の参加者が必要になる。三連勝では八人、四連勝では十六人である。では、じゃんけんトーナメントで999連勝するには何人くらいの参加者が必要だろうか? 一万人? 一億人? じつは、n連勝するには2のn乗の参加者が必要になるのである。2の999乗人、それは一体どれくらいの人数だというのか。

 ある少女が宇宙規模のじゃんけんトーナメントで勝ち進んでいく。32連勝の時点ですでに彼女は2^32-1=42億9496万7295人を倒したことになる。これは一惑星すべての人口に相当する。もはや戦いは宇宙規模になり宇宙船で宇宙へ。ダイソン球体という、恒星を取り囲んで恒星が発するエネルギーすべてを無駄なく吸収して文明のエネルギー源とするための太陽系規模のの構造物には惑星の面積の数億倍の人口があったが、それでも60連勝にしかならない。

 少女は世界管理官に連れられて別の恒星系、別の銀河系、別のマルチバース宇宙へと渡り歩く。この途方もないスケールのインフレがSFの醍醐味である。果たして2^999連勝するにはどれだけの規模の舞台が必要なのか。そして999戦めに待つものとは。

 ダイソン球のほか、量子もつれをつかったテレポートとか、量子物質を使った無限即時通信であるとかのSFガジェットも面白い。他の短編も、宇宙物理学や数学のワンダーに満ちていて読みごたえがある。
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