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#創作同人電子書籍 紹介 「ぬめみ」なるなる文庫

{ぬめみ}[なるなる文庫]


 16頁カラーまんが作品。

 権威ある料理評論家が、「ぬめい」という味を表現する言葉を聞く。長年料理の記事を書いているのにまったく聞いたことがないが、どうも世間では一般的な言葉で、誰もがそれを知っているらしい。しかし料理のことなら何でも知っていると世間に思われている評論家はいまさら「ぬめい」を知らないとは言い出せない。ぬめいが理解できないまま知ったかぶりをしてそれらしい記事を書いたらそれが受けてしまった……

 ぬめいという味は架空のものであるが、味に限らずたしかにこういうことはある(ぬめいとはぬるぬるしているものの味ということかと思ってしまったが粘り気とは関係ないらしい。ここはちょっと誤解されやすいところだとは思う)。自分は子供の頃読んだ学習まんがに「かっ色」という言葉が出てきて一体これはなんなのかと困惑したことがある。言葉とは他者に何かを伝えるツールではあるがツール単体では存在し得ない。感覚というものについて辞書的な定義を暗記したところでほんとうの知識とはならず、知ったかぶりをして人と関わるうちに会得していくものである。

 最後、評論家が知ったかぶりをして書いた記事がある板前の心を動かし、板前は新作を作る。その新作を評論家が食べ、評論家はぬめいという言葉を感覚で理解する。まさに言葉とはこういうものであると思う。
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