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#創作同人電子書籍 紹介 「EVA GOSE SOLO(エヴァのニッポンひとり旅)」EVANGELINE NEO

「EVA GOSE SOLO」 EVANGELINE NEO

 カラーまんが、モノクロまんが計125頁。シンガポールの作者さまの自主制作まんがである。

 子供の頃から日本のアニメやまんがが好きだった作者さま。コマには「らんま1/2」「幽遊白書」「X」などが描いてある。まんがのプロになるべく日本のまんがの制作現場が知りたくて奨学金を手に入れてシンガポールから日本に留学しようとする(なお、この先の展開で日本のまんが家には会えていない)。2浪した後に合格して奨学金を手にして日本へ。まず入らされた寮はボロボロで便所は汚れ流しに食べ残しが溜まりキッチンは爆弾でも爆発したのかというほど汚れまみれであった。憧れていた日本はこんなものだったのか……とエヴァは思う。作品を通して、日本に対して美化するでもなく正直な気持ちが描いてある。

 2011年3月11日、自室で震災に遭う。作者さまの住んでいた東京はそれほどの被害もなかったが、マンションが崩壊するのではと本気で怯え机の下に潜り込む。炊飯器で作っていたカレーが振動で漏れたという些細なところがリアルな体験である(シンガポール人は炊飯器でカレーを作るのが一般的なのだろうか……)。その後原発の放射能漏れを知ったシンガポールの家族が、エヴァにお金の心配はしなくていいからいますぐ帰ってこいと国際電話で言う。福島と東京が離れているということは海外からはわからず、世界の人には日本全土が放射能の影響下にあると思われていた。こういった外国人から見た当時の様子がまんがでわかるは興味深い。一時帰国することにして、出国手続きをするために役所の前の長大な列に並ぶ。列の群衆の多くは中国人、韓国人だったという。役人の手続きは極めてゆっくりであった。書類は役人が手書きする。パスポートを読み込む機械ぐらい用意してないのかとエヴァは憤る。街にはハイテク機器が並ぶかと思えば役所は手書き……こういうところが日本なのだ……

 その他にもエヴァが日本で体験したいろいろなことが綴られる。学校でパーティーがあり男子学生がフンドシ一丁で裸踊りをする場面を見る。伝統の宴会芸である裸踊りを今時実際にやる日本人がいたのか……

 風邪を引いて日本の医者にいったら結核の疑いがあるとかで部署をたらい回しにされレントゲンや喉に管を差し込む検査を何回もやらされた挙句、治療する前になんでもなく治ってしまったというところでエヴァが医者に対し「I WANT TO KILL YOU!!!」と思うところがいい。

 もうすぐ出国するエヴァの部屋にNHKの集金人が来る。もうすぐいなくなるしテレビを売り払うから払わなくていいだろうとエヴァは言うが、集金人はなら部屋の中を見せてテレビがないことを確認させろ、また、スマホにNHKを視聴できるアプリが入っていたらテレビを持っているのと同じことであるという。日本人でも疑問に思われている部分であり外国人には理解し難かっただろう。

 その他、日本の賃貸契約の敷金礼金という謎経費に理不尽さを感じたり、日本の結婚式の懐石料理に「SO SMALL」と思う部分など、外国人ならではの視点から見た日本が新鮮である。
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