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#創作同人電子書籍 紹介 「ソラガクレ忍伝」一二三いろは

{ソラガクレ忍伝}[一二三いろは]




 作者さまが中学生のときに描いたまんがである。こういったものは、中学生の時に友達に見せてもらうくらいしか見る機会はなかったのだが、電子書籍で誰もが作品を公開できる時代になって他人の黒歴史を覗くことができるようになった。

 中学生のわりには絵はこなれている。字も丁寧で見やすい。ロボットが世界を支配しつつあるなか、最後に残った忍者一族の末裔が敵の親玉を倒しに行くというストーリーも、それなりに頑張っている。

 左から右へ進むまんがなのに一コマの中では文字は縦書きで、セリフの順番も右→左である。これは、描いているノートが一般的な横書きノートであり左から右へ進むという媒体の事情と、作者さまが読んできたであろう一般的なまんがではセリフは縦書きで右から左へ進むという法則が混交してしまったためだろう。まんが家がその辺にあったノートにネームを走り書きする場合、ノートが左から右へ進むタイプのものであろうがそれを無視して右から左へ描くに決まっている。しかし中学生の作者さまはノートは左から右へ使うものという学校生活で植え付けられた固定観念を破ることができなかった。あるいは左から右へノートを使うなら、セリフも横書きにして左から右へ流れるようにすればいいのだが、それも思いつかなかったのだろう。西洋のまんがなどではそれは普通であるが、そのような知識が中学生にあるはずもない。

 中学生では未だ「表現」のために新しく自分なりの流儀を確立するというまでには至らなかった。逆に言うと、己の信ずる表現というものは、実は媒体や世間の事情によって決まってしまうのではないかということだ。まんが家がまんがを描くにしても、ほんとうに右から左へコマが進むのが表現に合っているのか、270×180mmという枠の中に絵を描くべしという旧型の印刷機械の事情で決められたもはや形骸と化したルールに従うのが正しいことなのか、ただ慣習に流されてそうしているだけなのではないか、とつねに疑いを持って表現に望んでいるまんが家はどれほどいるだろうか?

 これから電子書籍個人出版により商業誌では発表されることはないであろう作品が世に出されることでまんがとはそもそも何なのかという始原に触れることができるだろう。
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