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#創作同人電子書籍 紹介 「こんな心臓いらない」tamiko #SF #百合

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「こんな心臓いらない」tamiko #SF #百合

 モノクロまんが198頁。

 謎の心臓病が流行し、また、自死して臓器を移植のために提供することが認められた時代。

 正直言ってこの前提となる設定がナレーションで語られるだけで心臓病の当事者である主人公もとくに病に苦しむ描写もないので実感しにくいのですが、とにかく高校生1年生の女の子松田は心臓病で30代で亡くなってしまうことを宣告されています。
 彼女はまんがを描いていて、同じクラスの美術が得意な女子佐々木にあこがれていました。彼女らは絵を通して仲良くなっていきます。

 松田が佐々木に好きだと告げた時、松田が心臓病であることを知っている佐々木は言うのでした、「あなたの心臓になりたい」と。

 これは文字通り、自死臓器提供が許される25歳になったら松田に心臓を移植のために提供したいということです。もちろんそうした場合、佐々木は死んでしまうのですが……

 佐々木は子供を自由に育てるという主義の母親の元で育ちました。しかし、母は娘に「自由に生きて」というばかりで、娘が本当に自由に描いた絵は破り捨てる……自分の気に入らないことは抑圧し、自由に選ばせていると言いながら自分の望みを娘に押し付ける傲慢な母。
 そのため佐々木は自己嫌悪に陥り、心臓なんかいらないと思うように育っていくのです……

 心臓病の松田と、自死して心臓を彼女に提供したい佐々木の、女の子同士の恋愛と、高校生から大人になるまでの人生を描いた198頁の大作です。
 佐々木を好きだという松田、しかし松田は自分の心臓を佐々木に捧げたい、当然そうすれば佐々木は一人になってしまう……
 松田は佐々木以外から心臓を移植してもらい、佐々木と一緒に生きていくことを望みますが、佐々木は自分の心臓を松田に使ってもらうことを望むのです。

しみじみ はたして二人の人生はどうなっていくのか……あっさりした線で描かれたキャラもかわいく、街の様子も簡素にして雰囲気がわかりやすく描かれています。些細な技術面でのことですが、場面の初めはテレビ局ならテレビ局の建物外観、学校なら校舎外観から入ると読者がどこが今の場面は舞台になっているのか理解しやすいかと思います。
 あと表紙も描き降ろさないまでも魅力的な絵である作品内の一部分を載せたほうが目に付きやすいんじゃないかな……目について欲しくないのだとは思いますが。



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