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#創作同人電子書籍 紹介 「下北にて」藤田ローガン #ロードムービー #父と子 #ドラマ

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「下北にて」藤田ローガン #ロードムービー #父と子 #ドラマ

 子供の時から仕事ばかりでキャッチボールも一度もしてくれなかった親父。息子が青年になり結婚し母が亡くなって親父が年金暮らしになってから、突然息子を旅行に行こうと誘ってきた。
 近所の温泉にでも行くのかと思っていたらいきなり車で青森に行こうと言い出す。宿泊のためにテントまで持ってきている親父。しかしドライブの最中、会話はない……

 途中でワケありらしいヒッチハイク母子を拾ったら実は車上荒らしで小銭を盗まれたり、バイク旅の青年と野外で飯を食べたり……奇妙な道中で、息子は今まで知らなかった親父の好きな食べ物を知り、航空博物館で戦闘機に興奮する親父を見て、自分にはろくに話さないのに他の人には愛想よく話しかけたり、下ネタが好きだったりといった意外な面を発見していきます。
 二人が青森に着いた時、その辺りの住宅は豪雪の為に瓦屋根が少ないことに気づき、「ずっと気づかんかったことを知ると、嬉しい半面、なんか申し訳ないような気になるなー」と親父が言います。この科白に二人の再理解が進んでいく様子、この作品のテーマが象徴されています。まんが技術的に見事な科白だと思います。
 
 そして旅の果てにたどり着いた場所は、東北らしい荒涼とした岬。とくに観光地的に繁盛しているわけでもない、晴れているわけでもないどんよりとした空、ごつごつした岩場に灯台がぽつんと建つ北の果ての岬……
 しかしかつて妻とうまく行かなかったころの親父が仕事で訪れた時に心動かされた茫漠とした景色に、息子もまた心惹かれるものを見出します。
 彼らはそこで子供の時にできなかったキャッチボールをするのでした……

00000000みかん03 親父とうまく触れ合えなかった息子が、自分がかつての親父の歳になったいま再び触れ合いを取り戻し、親父の知らなかった面を知っていくという物語です。
 そして妻の居る息子は、やがて親父となり自分の子をもうけ、世代は次へと続いていくのでしょう。爽やかな読後感がある作品です。



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