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#創作同人電子書籍 紹介 永月にに「ぼくらの駆逐艦・榎―戦後70年の証言―」#ミリタリー #実録 #歴史

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永月にに「ぼくらの駆逐艦・榎―戦後70年の証言―」#ミリタリー #実録 #歴史

 モノクロまんが237頁。

 2015年、戦争を生き延びた82歳のお年寄りが、中学生に戦争の体験を語る……

 1945年、福井県小浜市の中学生が小浜湾に来た艦隊を見つける。興奮する少年ら。しかし軍事機密ということで騒ぐことも許されず、教官に尻を叩かれる。
 もっこを担ぎ防空壕を堀り、竹槍で巻藁を突き、爆弾を抱えて米軍の戦車に特攻する訓練……たまに警戒警報が鳴るが、なにも襲ってこない日々……

 意味のない警報がまた街に鳴り響く。しかし今回は違う。グラマンが群れをなして小浜の空を覆い尽くし、街に機銃を掃射する。少年たちは目の前で銃弾が地面にめり込むのを見る。
 小浜湾の艦隊も米軍機を迎撃するが、対空機銃はまったく当たらない。圧倒的な戦力の差……
 防空壕に身を隠し、米軍機が去った後、海で爆発が起きる。駆逐艦榎が、米軍の投下した機雷に当たって沈没したのだった……

 残されたのは多数の死体と傷病者。少年たちは血なまぐさい包帯やシーツを洗い、死体の山の中から生存者を病院に運ぶ仕事をさせられる。食欲のなくなる仕事、しかし腹は減る……

 「榎会」という、作中の時代を実際に体験した小浜中学校の卒業生の団体が企画し、まんが化された作品です。当時は軍事機密で誰にも語ることができなかった物語が、現代になって電子書籍で読めるようになりました。
 少年たちが血まみれのシーツや包帯を洗い、死体の山の中から生存者を病院に運ぶ仕事をさせられ食欲がないと言った直後に腹の虫が鳴く……どんなに血なまぐさい場面にあっても腹は減って飯を食わなければ生きていけないという、実際に体験したことがなければわからない、当時の人々のリアルな経験が描かれています。

 第二話では駆逐艦榎の乗組員だった少年の視点が描かれます。
 まだ16歳の河野少年は、学校の成績が優秀だったため最新の駆逐艦である榎に配属されます。機銃の操作を一秒でも早く正確にするべく新兵たちは鬼班長にしごかれる毎日……
 ある日河野少年は海面にトビウオでも撥ねているのかという水しぶきが上がるのを見ます。なんでもないただの水しぶき。しかしそれは、人に掠っただけでも命を奪うグラマンの機銃弾だったのです。
 編隊をなし襲い来る米軍機、遂に実際に米軍が自分たちを殺しに襲ってくる、撃たなければ死ぬ、しかし河野少年の足は動かない……当時実際に一兵卒だった人の体験を元にしたリアルな戦場が描かれます。

00000000みかん03 また本作はまんが作品として魅力あるものとなっています。
 新人を扱く鬼班長が、実は戦闘機の機銃で死にかけたことがあり、俺のような目に遭いたくなければ撃て、と河野少年を励ますシーンなどはとても篤い。単に戦争の記録というのみならず、まんがとして広い読者を獲得しうる、クォリティの高い作品となっています。




本作は定額読み放題サービスkindle unlimited対応作品です。








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