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#創作同人電子書籍 紹介 YOSHIMAX「rabbit adventure うさぎの旅」#アヴァンギャルド #不条理 #アングラ

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YOSHIMAX「rabbit adventure うさぎの旅」#アヴァンギャルド #不条理 #アングラ

 モノクロまんが23頁。

 ウサギが語る冒険の物語。
 ウサギは若い頃世界各国を旅し、世界の遺跡や超常現象を調査する国際機関に入りました。
 そこで古代インカ文明が遺した、怪物を呼び覚ますという謎の仮面を調査しに行くのですが、途中で謎のロボット兵団に妨害され、絶体絶命の危機に陥るのでした……

 古代文明の遺した伝説の遺物を調査しに行くというインディ・ジョーンズを思わせる冒険物語なのですが……とにかく見づらい! 画面が見づらいのです。しかしこれは計算された見づらさなのです。
 次の齣がどれなのか、そもそもある齣と次の齣が繋がっているのか……全然関係ない齣が並べられているようにも見える場面も多々あります。また、ストーリーにまったく関係ないレストランの一般客がクローズアップされ妙な存在感を放っていたり、突然メインキャラの父親だと名乗る男が出現したり、まるで夢の中のように脈絡のない展開が続きます。ウサギほとんど関係ないし。
 また、本作は吹き出しの中に日本語と英語を併記するスタイルなのですが、それが冗長な科白と相まって情報量を水増しし、カオス度に拍車をかけています。吹き出しの中に突然白黒反転で強調された語句が並べられるところにもむやみなキッチュさを感じます。このカオスさは古代文明の遺物というオカルトな内容とも合っています。

なにこれ
 これは脈絡のない夢の中の冒険譚、それを目指して計算された見づらさなのではないかと思えるのです。つげ義春の「ねじ式」がそうだったように……別にうさぎの回想という形式をとる必要がないのにそうされている入れ子構造の物語形式も、この冒険譚がうさぎの夢もしくは作り話だった、というような暗喩であると感じられなくもありません。
 本作はガロなどのアンダーグラウンドなまんがを目指して描かれたものではないかと思うのです。万人向けとは言えませんが、奇抜なまんがが見てみたい人なら。









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