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171126「イラスト教室 2コマ漫画に挑戦!」でまんが講師を務めました。

 171126に千葉県八千代市八千代中央図書館内オーエンス八千代市民ギャラリーで開催された「イラスト教室 2コマ漫画に挑戦!」で、クロ僕屋はまんが講師を務めました。
修正1126キャプチャ


 数日前まで予約が3人しかなくさみしい教室になりそうなところだったのですが、前日と当日で参加希望者が増え最終的に定員15人のところ、10人の方に集まって戴けました。
 小学生、中学生、一気に年齢が飛んで大人の方、年齢はさまざまでした。私としてはクラスであまり目立たないタイプのまんがが好きな小中学生男子つまりかつての自分のような男子に来てほしかったのですが小中学生は全員女の子でした。

 教職課程をとっていなかったので教育実習の経験などなく、こういった講義ははじめてでした。
 以下は講義の内容を思い出して書いたものです。



 あいさつ

 自分の描いているまんが数点を紹介
 
今日はみなさんにまんがを描いてもらうのですが、
まずその前に疑問があります。
まんがとはいったい何かということです。

090_おにぎり0009

ここに一枚の絵があります。おにぎりの絵ですね。

090_おにぎり0010

で、もう一枚の絵があります
「おなかがへったなあ」と言っている人です
仮にこの人を八千代くんと呼びましょう。

090_おにぎり0090

で、これを見て下さい。
今度はどうですか?
八千代君がおにぎりを食べたがっているように見えませんか?

090_おにぎり1000

ではいまのまんがにもう一コマ付け足してみましょう
空白になっている3コマ目にはどんなコマが入るでしょうか?

090_おにぎり1010

これはどうですか? 3コマ目に手が出てきました。
八千代くんがおにぎりに手を伸ばしているように見えます。
でも、この手が八千代君の手ということはどこにも書いてありません。
この手が八千代君の手だということを判断したのは読者のみなさんです。

090_おにぎり1020

これではどうですか?
八千代くんがおにぎりを食べたように見えます。

090_おにぎり1030

これではどうですか?
2コマ目のおにぎりはつくりものの食品サンプルだったことになります
でも2コマ目の絵はさっきとまったく同じものです
絵が全く同じなのに、さっきのおにぎりは本物で、こっちのおにぎりは偽物だったということになりました。

090_おにぎり1040
これではどうでしょうか?
八千代君はおにぎりを食べていません。それどころかおにぎりは八千代君の考えていた夢だったことになり、おにぎりはどこにもないことになってしまいました。

090_おにぎり1050
これではどうでしょうか
おにぎりは八千代君のものではなくて、他の人のものになってしまいました。

090_おにぎり1060
これではどうでしょうか。
おにぎりは実は透明の箱に入れられていて、八千代君はおにぎりを食べることができません。
(この例は要らなかったな……と後悔)

090_おにぎり1070

これではどうでしょうか。
おにぎりは実はおにぎり型のモンスターだったことになり、八千代君がピンチになってしまいました。
(笑いが取れると思ったが子どもたちが意外に真剣だったので後悔)

090_おにぎり1080

で、これなんですが……ちょっとむずかしいと思うんですけどどういう状況かわかる人いますか?
(一番興味がありそうだった女の子を当てると、女の子は「おにぎりは幻想で、八千代君は(お腹が空きすぎて)倒れて病院に行った」と答える)

いや、私も想定外の答えでびっくりしてるんですけど
私としては……(おにぎりが腐っていたか毒がはいっていてそれを食べた八千代君が倒れて病院に運ばれた、という想定を言いかけて、こどもの意見を潰すことになってしまうと思い黙る)

 このように、おにぎりの絵は同じものなのに、後に続くコマが変わることによっておにぎりの持つ意味が変わってしまいます。
 これがまんがの力なのです。
 まんがはコマとコマとの関係性によってなりたっています。コマとコマが関係性を持つ最低の数が二つです。つまりコマが二つ以上あるものをまんがであると、私は言っています。(実際はこのようにすらすら論理的にしゃべることはできなかった)
一コマまんがというものもあるんですけどそれはいったんおいておきましょう。

 まんがのコマというのは、前後のコマとの関わり合いの中で意味が与えられます。あとに別のコマがくると、前のコマの意味も変わってくるのです。これをむずかしいことばでコンテクストといいます。(コンテクスト、がうまく発音できず何回か言い直す)
 
 二つのコマの間のすき間を読者が飛び越える時、読者は物語を自分で作り出して埋めてくれます。作者が物語をつくるのではありません。読者の心が、何もないコマとコマのすき間をうめるのです。
 すき間を埋めてくれるのは読者の方です。作者は、まんがを描いてしまった後は読者にはなにも口出しすることができません。コマの配置がうまくいかなければ、読者は作者が思ったことと全く違うことを想像するかもしれません。(このへんのセリフはぜんぶ飛んでしまってしゃべるのをわすれた)

 まんが家は読者がどう物語を埋めるかまでをみこしてコマを配置します。コンテクストをうまくコントロールすることがまんがを描くということなのです。(子供に英語で説明してどうするんだと後悔)

(年齢の幼い参加者さまがちょっと退屈そうな雰囲気が出てたのでさっさと実習にいく)

 それでみなさんにこれからやっていただくものがこれです

099_デフォルト_042


これは学校の廊下みたいなところかな? ある人が廊下を歩いていると「おすな」と書いてある大きなスイッチを見つけたように見えます。

099_デフォルト_043

こっちは、ある人がドアの前に居るコマです。ドアを開けるのかな? どうなのかな? ドアの向こうにはなにがあるのかな?

皆さんには空白になっている2コマ目を埋めてもらいます。
どっちか一枚だけでいいです。もちろん、思いつく人は二枚とも埋めてもらってもいいです。

この人いま何も着てないし髪とかも生えてないですけどそこらへんを書き足してもらってもかまいません。

あと、なにも思いつかないよ、とか、これじゃつまんないよ、という人は真っ白の紙もよういしてあるので、自分で枠線を引いて、好きなニコマまんがを描いて下さい。

では始めて下さい。



実習中はこどもたちは絵を描くのに集中していてとても静かでした。
ギャラリー側が用意した筆ペンを使いこなして髪にツヤベタを入れている女の子がいたのでロングヘアのツヤがすごいねと褒めました。
私としては、描くものがまったく思いつかず途方に暮れる子供がいたりするのかなと思っていたのですが全体的にレベルがものすごくたかく、私が用意したのっぺらぼうの人物におしゃれな服を着せヘアスタイルも決めている女の子が多くいました。
描く時間は一時間しかなかったのですが、みんな描くのが早くて二枚とも終わらせている参加者が多くいました。

で、しめきりがきて原稿を集め、それをギャラリーの人が全自動コピーマシンであっというまに全員分コピーしてくれました。
それを見て講評に入りました。

我ながら、最初の稚拙な講義とは違って、参加者がえがいたまんがを実際に見ながらだとすらすら言葉が出てきました。やはりわたしはまんがを読むのが好きなのだということにあらためて気づきました。

 私としては、完成作品のネタはだいたいかぶっているのではないかと思っていたのですが、実際はまさに十人十色で、全く同じ一コマめからこれほどまでに多種多様な展開が描かれるとは思っても見ませんでした。

099_デフォルト_042
 これの完成作品にしても、
 ●ボタンと思われたものが実際には異次元に通じる穴であったという解釈で、ブラックホール的な穴にキャラが吸い込まれているもの
 ●ボタンは実はこの建物を崩壊させるスイッチであり、2コマめで奥にあった壁が壊れて外が見えている
 ●一コマ目は「この人物はボタンを押すか押さないか?」というクイズ番組のVTRであり、2コマ目で回答者が押す・押さないのどちらかの答えに投票している図
↑これはびっくりするほど高度な答えでありわたしも考えつかなかったとてもいい作品だと思いました。

 わたしが読み間違えて作者さまの意図を掴めなかった例がいくつかあったのがちょっと失敗でしたが、他人がえがいてくれたまんがを読み解きそれを言語化したとき、作者さまがうなずいてくれる、つまりまんがを介したコミュニケーションが成功した場面がとても楽しかったです。機会があればぜひまたやりたいと思います。

 参加者さまのなかに、描いている途中のまんが作品をもってきている方がいらしたので、それを見せてもらっていろいろとお話しました。正直わたしも忘れかけていたのですが、じつはわたしはとにかくまんがを見るのが好きなのだなと、いまごろやっと気づきました。

 わたしとしては、まんがをこっそりえがいて誰にも見せず引き出しの奥にしまっているような、そういう子供たちを応援したいと思います。次の機会がありましたらどうぞよろしくお願いいたします。




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